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<ある旧家の売却ドラマ その2> 不動産登記と相続など

(前頁のつづき)この物件の媒介契約を受任した際に調べると、

この土地上に、既になくなっている建物が登記されている事を発見しました。


現在の建物に建替えた際に、 従前の建物の滅失登記をしていなかったのです。

既に存在しない建物で、 抵当権なども設定されていません。

その存在しない建物は、 50年以上前に建てられた物なので、固定資産税もかかりません。

よって、そのまま放置しても何も問題はありません。(評価がゼロなのです)


買主である宅建業者に、契約前に口頭でその旨伝えると、

「できれば滅失登記をしてほしいが、 無理なら仕方ない」 と、承諾を頂きました。


建物登記簿の甲区欄には、とうの昔に亡くなった祖父が名義人として登記されていました。

が、名義人は存在しませんので、滅失登記には相続人全員の承諾が必要になります。

祖父には子供が数人いましたが、 1親等の相続人も全員が、この世には居ません。

名義人の孫等が相続人になるのですが、相続人の数は15人も居ます(売主も孫の一人です)。


このケースでは、放置しても 不利益になる事はないので、滅失登記はしないでおきました。

市役所や法務局が職権で滅失登記をする事も法的に可能ですが、

役所にとって何もメリットはないので、 そういう事はしませんし、前例もありません。

ちなみに滅失登記だけなら費用は3万円程度です。それより、印集めが大変なのです。


しかし本来、 相続が発生した場合は、すぐに遺産分割協議をし、

不動産登記については 相続人複数の共有ではなく、単独所有にしておくべきです。

例えば日本中でしばしば見られるケースとして、 駅前の一等地なのに、

田んぼのまま、 何十年も米作が続けられている例があります。


他の土地を調べるついでに、 そういう不思議な田も調べた事があるのですが、

ある土地などは30人以上の共有で、 持分が最も少ない人はなんと、49分の1でした。


おそらく、その土地は永遠に田のままでしょう。

なぜなら、持ち主全員の印がなければ 売る事も貸す事もできないのです。

30数人も居る所有者は、 お互いに顔さえ見た事もない人が多く居るはずです。

その人たち全員の印をもらってまわるのは 並み大抵の事ではありません。

必ず、 「俺の持分は、もっと高い値でなきゃ売らない」
「そんなに安いなら、私が買い取ってやる(でも、少し値引きしろ)」
「今、決めなくても、当分そのままでいいじゃないか」

などと利害がぶつかり、意見が合わないものなのです。

49/49 なら、仮に49億円の価値としても、

1/49づつ だと1億円づつではなく、1円にもならないのです。

それどころか、毎年税金がかかってくるだけなので、 無い方がいいくらいです。

だからと言って、理論上は1億円の価値ある権利なので、誰も放棄しません。


日本中にそういう土地が星の数ほどあるのです。 その数は100や200ではないでしょう。

相続の登記はお早めに、そして、 「単独所有」が大原則です。

更につづく・・・

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