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<ある旧家の売却ドラマ その1> 農村内の2項道路の物件

ある日、持ち家の単純売却を依頼されました。持ち主は当社の近所に住む方でした。

物件の所在地は、旧村というのか、 昔の農家の集落の中の1軒です。


話を聞くと、 借金苦のため、持ち家を手放して楽になりたい、 との事でした。

登記簿を確認すると、 総額5300万円分の抵当権が設定してあり、

1番抵当は某都市銀行、 2番抵当と3番抵当は高利貸しが登記されています。


地積と物件の売却価格をココで書くと、どの物件なのかバレてしまう恐れがあります。

よって、ここでは「坪単価33万円」とだけ書いておきます。

鉄筋コンクリート造の建物込みの価格です。


駅からは徒歩18分。やや遠いのですが、 それでも周辺相場と比較して格安です。

その周近では、坪60万円程度が相場でした。

もちろん、いろんな要素により、評価増減しますが。


売却開始直後から、案内客が殺到しました。 が、買い手は現れません。

物件からは、少し歩けばのどかな田園地帯が広がり、

山や川などの自然も徒歩圏でありながら、 JR駅にもそんなに遠くない立地です。


しかし、農村の中という事で、 他所者は入りにくい雰囲気であること、 また、

前面道路も細く、 最も細い部分では2m強の幅員しかありません。

中古住宅なのに、 サラリーマンの生涯賃金の1/4もの高額物件なので、

すぐには買い手は現れませんでした。


ここで、建築基準法の「幅員4m以上の道路に、間口が2m以上接している事」

を思い出した読者もいらっしゃるでしょう。

ただ、このケースでは通称「2項道路」という 特例が認められていたのです。

建築基準法施行以前に建物が建っていた場合、

法の条件を満たしていなくても再建築可能なのです。一種の救済措置ですね。


2項道路を分かりやすく表現しますと、 そういう昔の建物が建っていた土地なら、

道路幅員が1.8m〜4mの場合に適用され、 建築の許可が下るのです。

2項道路以外にも、特例は多種あります。 旧村に住んでいる方も、建替を簡単に諦めないでください。


それはさておき、例え再建築可能な土地でも、

道路付けが悪い旧村の中へは、飛び込みにくいものです。

売却開始後、数十人を案内したのですが、 3週間経っても買い手は現れませんでした。


が、意外なことに約1ヶ月後、 案内した事のない不動産業者が

物件案内した事のない買い手の名前で買付証明を持ってきました。

他県の不動産業者が、小規模の分譲用地として買うということでした。

つづく・・・

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