不動産のツボ HP版 <住宅ローン 編>

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<住宅ローン 公務員なら住宅共済を第一候補に>

公務員は民間の会社員に比べ非常に有利で 銀行の住宅ローンにも金利優遇などありますが

公務員の住宅共済や互助会などからも無担保で融資を受けられます。


住宅ローンは通常、購入する物件・新築する建物や敷地などを担保に抵当権を設定する事で

融資が受けられますが 公務員共済は退職金が担保なので不動産担保は設定しません。


不動産に抵当権を設定すると 抵当権設定の費用(司法書士に払う手数料)や、

又、設定金額に応じた印紙税が必要になるので、キャッシュで買う方が費用は安くなります。

公務員の住宅共済は抵当権をつけないので、それらの費用が発生しないのです。

設定金額(≒融資額)にもよりますが、最低でも10万円程度は追加で必要になります。


公務員の住宅共済で最も印象的な経験といえば、認知症(痴呆症)で、かつ

高齢の父名義の土地に 自宅を建替えようとした話です。


施主さんの土地建物は古い農家で農村内にありました。

築後50年以上の古い建物で商談時は冬ですきま風が吹き込んでいました。

柱や梁は立派な太い木を使っていて、再利用したいほど惚れ惚れする良い材料でしたが・・・


前面道路の幅員は狭い部分でも1.9mなので2項道路という事でOKですが、

その前道に1.8mしか接してなかったのです。このような敷地に建築物は建てられません。


まずこの点を苦心の末「ある方法」でクリアして建築確認を取った後に、

実は土地名義人の父が認知症であると知らされたのです。

”元気な”父名義で同居している事は知ってましたが、まさか認知症とは知りません。

私としたことがウッカリしてました。 認知症の患者に抵当権設定はできないのです。


銀行等の住宅ローンを借りる場合、必ず抵当権を設定されます。

この行為は司法書士立会いの下で書類にサインしますが、認知症の人にはサインできません。

サインできたとしても、司法書士がその行為を認めません。

認知症患者は無能力者として法律行為を制限されます。

また、痴呆老人に抵当権設定書類に署名させたとして、司法書士は訴えられる可能性すらあります。

いわゆる「まだらボケ」の認知症患者が正気を取り戻した時間を狙って署名させるのも

住宅ローンを貸した銀行から訴えられる恐れがあるどころか、

詐欺に陥れようとしてローンを借りる人がわざと仕掛ける事も可能性としては考えられるからです。


この建替えの商談は大きな額だったのと、 あるコネで接道義務をクリアしたという経緯から、

万一破談になると私はもの凄く怒られます。一瞬目の前が真っ暗になりました。


もう一度、お客さんに資金計画の練り直しをお願いし、預貯金からできるだけ出してもらい、

公務員共済と組合の互助会からも融資してもらって何とか資金が足りるようになりました。

公務員の共済や互助会は無担保融資なので 認知症の父のサインが不要なのです。

また、物件引渡しの前に融資の実行が可能なので、 建築着手前に申請してOKを貰い、

中間金支払時までに共済融資を実行してもらえば 私たち業者側もとりっぱぐれがありません。

建て替えや増改築で営業マンが最も注意すべきは工事費の回収ですから一石二鳥です。


綱渡りの商談で、ギリギリの線で建替えが成功した今でも忘れられない建替えの案件です。

また上記以外にもいろいろと問題ある案件だったので、

完成・引渡しの際はお客さんだけでなく 私たち業者も感慨ひとしおでした。

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