不動産のツボ HP版 <新築・増改築工事 編>

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<柱の背割り>

木造住宅の柱は、当然ながら、木だ。 木を使った柱にも、大別して2種類ある。

1.生の木(ムクの木と呼ぶ人もある)
2.集成材


1.生の材木

生きている木は、水分を多く含んでいるので、伐採後に乾燥させてからカットする。

それでもなお、数年〜数十年かけて更に乾燥が進み、わずかに反りが生じる。

ところが、既に建築が完了し、ガッチリと躯体に組み込まれていると、物理的に反ることができない。

反ろうとする力が逃げる所がないため、 柱に小さなヒビワレが発生する事となる。

このヒビワレは、決して柱が悪いとか、 強度に問題があるとかいう事はない。

しかし、知識のない一般人が見ると、 見栄え悪いので、クレームをつけてくる人もいる事だろう。

この現象は昔から知られている事なので、柱には「背割り」という、幅5〜6mmの深い溝を彫る。

 *見えない背面を割っておくので背割りと言う。


洋室だと柱は見えないが、 和室は柱が剥出しになる面と、壁の内部に隠れてしまう面とがある。

この隠れる方の面に背割りを入れておくのだ。

これにより、乾燥が進んだ際の”反り ・ヒビワレ”などの力をこの人工的に作った溝に集め(逃がし)、

目に見える面にヒビワレが出ないようにするのだ。

しかし、この背割りを入れていてもなお、 若干の反りなどは避けられない。


「無垢の木」信仰が強い人がまだ居るが、 ちょっとでも建築をかじった事がある人は

生の木を使った材木をおススメしない。

典型的な例では、ドア・戸など、 精密さを要求される部分に生の材木を使うと・・・

その部分を作った直後は精密に出来ていても、

家が完成して最後にドアを取り付ける段になって、 わずかに反っていて、干渉したりする場合がある。

これらは決して欠陥住宅だとか、 手抜きなどではなく、 生の材木が原因の、経時変化である。


「生の木を使うのが自慢です」 などと言う建築業者をたまに見かけるが、

これらの業者でさえ、 ドア周りなどは集成材を使っていると思われる。

もし使ってなければ、 大工はかなり泣かされているはずである。

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