不動産のツボ HP版 <新築・増改築工事 編>

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<フローリング床の鳴き>

新築から数ヶ月〜数年経つと、

アチコチ気になる部分が出てくるものです。

私の経験上、冬に多く発生するのは フローリングの「鳴き」です。

床のある部分を踏むと 「ギー」とか「キュッ」とか鳴るのです。


これらは経年変化の一種で、ブログ版でも何度か言及した通り、

”材木のヤセ”によるものがほとんどです。

しかも木造住宅に限らず、鉄骨造住宅にも発生します。

鉄骨造やRC造(鉄筋コンクリート造)の住宅でも フローリングの下は木材の根太(ネダ)ですから、

”材木のヤセ”による鳴きが発生するのは 木造住宅だけではありません。 (発生率は木造の方が若干、高いでしょうが)

コンクリートの基礎上に、土台となる材料を載せ(木造なら木、鉄骨なら鋼材)、土台と土台の間に「大引き」を渡します。

この根太が痩せると フローリング材との間にスキマができます。 このスキマがが鳴きの原因になるのです。
木の材料が鳴るのではなく、多くは フローリング材と釘との摩擦による鳴きです。大引きも木材というのが、木造の方が発生率がやや高い原因です。

冬だけでなく、 季節の変わり目にはよく起こるのですが 恐らく気温と湿度の関係のせいだと思います。

特に冬に多いのは、 空気が乾燥するからでしょうね。 (材木の乾燥も進むからでしょう)


さて、このフロアーの鳴きですが、 あまり神経質に対応しない方がいいです。 木というのは天然の材料です。

人間や動物に個性があるように、 材木にも個体差があります。 ですから、乾燥の進み具合も少しづつ異なるのです。 すなわち、

1ヶ所「ギー」と鳴くからと言って、 鳴らないようにとギューギューと締める(フローリングを根太に密着させる)と、シワ寄せが他の部分にいきます。

数ヵ月後に他の部分がヤセ、 同じように鳴き始めると、 前回、他の部分を締めすぎたために今回の当該部分のスキマが大きくなっていて、 そのため比例して音も大きくなってしまう恐れがあります。

神経質な施主は 「絶対に鳴らないようにしろ」 等と高飛車にクレームつけますから 一部の大工はウルサイ施主の場合には、 フローリングと根太をネジで固定したりしてしまいます。 (通常は細い釘を、エアを利用したガンで打ちます)

ネジを使うと、強力に締めることができ、 また、釘のように戻ったりしません。しかし、音が鳴らないくらい強く締めるので、 その部分は確かに音は出なくなりますが、 他にシワ寄せがいってしまうのです。

あまりうるさい場合はともかく、 少しの鳴きなら放置しても問題はありません。

2年経てば、冬を2回迎えるので、 それから直せば大丈夫でしょう。

鳴く部分を見つけるたびに直すと、 上記の理由で次々に鳴きが発生します。
「保証期間は1年です」という業者もあるので  施工業者には連絡しておく方がいいでしょうが 

なお、木のヤセが原因ではなく、 大引きや根太が「節」の部分に当たると 鳴きが発生する場合もあります。

おススメなのは、 引渡し後1年弱の時点で 気になる部分を全部診てもらう事ですね。 2009年2月4日

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