不動産のツボ HP版 <新築・増改築工事 編>

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<バリアフリー住宅というだけでは片手落ち>

国が決めた「バリアフリー住宅の定義」は

敷居の段差が2mm以下、

通路の幅が●●cm以上、

階段の勾配が●●度以下、

同じく階段の踏み面が●●mm以上、 ・・・など、色々あります。


でも、高齢者・身障者を抱える家庭では物足りなさを感じているでしょう。

これらバリアフリー住宅の定義は全て、建物内部だけの規定だからです。

実際に車イスの人を介護している人にとって (一戸建ての家に住んでいる場合)、

前面道路から自宅敷地に入り、玄関まで進み家の中に入って、更にそこから実際の生活空間の床へ上がる、

つまり 玄関から上がり框(かまち)を上がるまでが一番大変なのです。


新築一戸建てを設計する際には、前道と敷地の高低差(段差の有無)に注意し、玄関ポーチを前道と同じ高さに、

もし同じ高さが不可能なら、緩いスロープにし、 段差を作らないように設計するのが最低限のポイントです。


建築屋の先入観では、 「GL(グランドレベル)を前道と同じ高さにすればいい」 と考えがちなのですが、

それだと基礎の分、 道路より高くなってしまいます。 すなわち、ベタ基礎の厚みは30cm以上ありますから、

つまり、道路から玄関に行くまでに 数十cmもの高低差を登らないといけない家になってしまいます。


住宅用地を選ぶ際のポイントですが、 前道が坂道(強い傾斜)などだと、どうしても段差ができるので避ける事と、

また、前道より低い土地は水掃けが悪いし、 道より高くても低くても車イスの人には大変です。


上がり框についても、マンションのように高低差が低い上がり框は、 車イスの人には非常に助かります。

しかし一戸建の場合、上り框が低い=床下が低い ⇒床下の通風換気の面で若干不利、 という面もあります。


最近の木造住宅は、ほぼ100%ベタ基礎なので 基礎が低くてもデメリットはほとんどありませんが、

一部のハウスメーカー、特に鉄骨造の場合、 土のままの部分が広い造りの設計をする会社もあり、

そういう造りで上がり框を低く設計した建物だと、床下が湿気るというデメリットもあります。

ですから、担当者とよく打ち合わせをしたうえで 設計するようにしてください。 2009/01

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