不動産のツボ HP版 <不動産業界で働く 編>

新築・増改築工事
住宅ローン
おもしろ情報
購入・売却ノウハウ
不動産業界で働く
 

<隣の土地は高くても買い!>

以前 一軒家のリフォームを注文してくれたTさんから、

ある年の8月、呼ばれました。

「来春、大学を卒業する長男が戻ってくるかも・・・。
 2階を増築しようかと思うので見積もりしてほしい」

との事でした。

(まだ8月なのに、来年3月の話か・・・)

と私は思ったので、 話をよく伺うと・・・

本当に息子さんが帰ってくるかどうか、 まだ決まっているわけではありませんでした。

そのせいでしょう、何度もプラン&見積り提出するのですが、色よい返事をいただけませんでした。

”2階に1部屋増築及びLDKと和室を改築”なので、 約1000万円になるプランだったのです。

(息子が帰ってこなければ、増改築費はムダ・・・) と、Tさんの潜在意識にあると推測しました。


そんなある日、Tさんの隣の家が売りに出ました。Tさんと隣地の売主とはもちろん顔見知りです。

が、売主はもう何年も前に引越していたので、 隣地は空家だったのです。

ダメもとで、その物件資料をTさんに届けると、 奥さんの顔色がパッと明るくなりました。

・・・

数日後、「隣家を買いたい」とTさんから連絡がありました。

増改築なら約1000万。対して、隣の中古住宅購入だと諸費用を含めると約4倍必要です。

Tさんは「ローンが組めるなら買いたい。一応、月々の支払いがいくらか知りたい」との事。

Tさんは地方公務員で年収は1400万円を超えており、試算上は全額ローンも可能でした。

今住んでいる家の住宅ローン残債は200万円程度で、手持ち現金で一括繰上げ返済も楽です。


ただ、年齢は50代なので、全額ローンにすると月々の支払いが多くなります。

銀行の住宅ローンだと、75歳までに完済するように、返済年数を短縮しなければなりません。

普通は30〜35年ローンにするのですが、Tさんはその半分の期間で返済しなければならないので、

結局、900万円程度の自己資金を充当するように計画し、住宅ローンを申込みました。


もう一つの問題は、 既に自宅を持っているため、

「セカンドハウス(2軒目)に該当」と見做されると住宅ローンが使えない可能性があったのですが、

1.現在の1軒目の住宅ローンを完済する事
2.住民票の住所を、2軒目の家に移す事

どちらも簡単な条件です。 問題点は全てクリアとなり、決済も無事完了しました。


尚、購入した隣地物件は建物もしっかりした和風建築で、 躯体は頑丈でした。

また、駐車スペースが3台分あり、このような物件を求めている人は多いでしょう。


決済・引渡しの数週間後、 Tさんから連絡があり、

「息子は帰ってくるかどうかわからないので、とりあえず貸家にしようと思う」

との事で、リフォームして賃貸物件情報を流すと、家賃10万円ですぐに借り手が見つかりました。

住宅ローンの繰上げ返済や物件に充当する資金+リフォーム費用を払いはしましたが、

ローン返済額−家賃収入=実質返済額4万円/月 ですから、 いい買い物だったと思います。


息子さんの代になれば、2軒合わせて100坪強の邸宅です。

万一の場合でも、2筆で300uあるので、 不動産屋がまとめて買ってくれます。

私鉄の急行停車駅徒歩7分・ JR駅歩10分ですから、3筆に分筆すればすぐに完売するでしょう。


不動産営業マンの基本 ”既存客の隣家が売りに出たら、必ず声を掛ける” を実行してください。

但、「近所には言わないで」と売主が希望する場合もありますから そのヘンは臨機応変に!

領収書の書き方 <
不動産のツボ HOME
> 屋外広告物条例

inserted by FC2 system